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お役立ちネタ
フォークリフトの事故を防ぐために有効な安全対策への取り組みとは?
倉庫や工場での荷物の運搬に欠かすことができないフォークリフト。全国で70万台以上が運用されており、物流業務の効率化に大いに貢献しています。しかしながら、その強力なパワーと重量ゆえに、安全のために適切な取り扱いと注意が絶対に必要な車両です。
そこで今回は、フォークリフト事故における原因や対策についてまとめました。ぜひ、事故防止に役立てていただけましたら幸いです。
■増加傾向にあるフォークリフトの事故発生件数
フォークリフトによる労働災害の死亡事故が全体的に増加している傾向が見られます。2020年の厚生労働省のデータによれば、労働災害による死傷者数は減少している一方で、フォークリフトによる死傷事故の割合は3年ぶりに上昇しています。
2020年はコロナウイルスの影響で経済活動が縮小し、労働時間も減少していましたが、一方でEC事業の拡大や人の行動制限などで物流のスピードは加速しており、それに伴いフォークリフトを使った事故が増加している状況が推測されます。
具体的には、厚生労働省のデータによれば、フォークリフトに関する事故件数は2019年の2,145件から2020年には1,989件と減少していますが、死亡事故の数は2019年の20件から2020年には31件と著しく増加しているのです。
■よくあるフォークリフトの事故ケース
フォークリフトにおける発生しやすい事故ケースについてご紹介します。
転落事故
まず挙げられるのは、転落事故・墜落事故です。運転者の操作ミスにより、高所からフォークリフトごと落下するようなケースです。
また、フォークリフトの爪に人を乗せて作業するなど、本来禁止されている危険な行為が行われた際に、作業員が誤って爪から転落する事故も報告されています。
挟まれ事故
フォークリフトの運搬作業中に、他の作業員が積荷をチェックするために近づく場合、積み荷が高く間隔が狭いと人の姿が見えにくくなることがあります。さらに、チェック作業者は下の積荷の伝票を確認するために屈むこともあるため、フォークリフトの運転席からは視界がますます遮られます。
他の作業者が見えないまま運搬を行うことで、人が積荷の間に挟まれる事故が発生する可能性があるのです。
転倒事故
フォークリフトの転倒や横転によって運転者が運転席から放り出されたり、車両の下敷きになるケースが報告されています。
転倒事故の多くは、速度が速すぎてカーブを曲がりきれずに転倒する例が主流ですが、中には荷台に人を乗せて高所作業をしている際にバランスを崩して転倒するケースもあります。
衝突事故
作業を行う人とフォークリフトが衝突する事故です。安全確認の怠りだけでなく、車両の点検や整備が欠如していることからも引き起こされる可能性があります。
例えば、フォークリフトの通行経路に入った作業員が轢かれる事例や、周囲の作業員に荷物が落下するケースなどが報告されています。
■フォークリフト事故が発生する主な原因
フォークリフトによる事故原因は作業内容や作業環境などに左右されるため、ケースバイケースです。しかし、一般的に事故が起こりやすい代表的な要因もいくつか挙げられるため、ご紹介させていただきます。
運転操作ミス
一般的な乗用車と同じように、運転操作の誤りが事故の原因となることがあります。ハンドルやレバーの操作ミス、アクセルとブレーキの踏み間違いなどが、よく起こり得る誤操作です。
また、前方不注意や急発進など、過信や惰性が誤操作の引き金になることもあります。免許を取得してからも、正しい運転技術を継続的に意識することが重要です。
安全確認不足
フォークリフトの講習では指さし確認を念入りに行いますが、実際の作業現場では安全確認を怠ることがよく起こり得ます。
例えば、前後左右の確認を怠って移動することで、他の人を巻き込む事故が発生する可能性があります。また、シートベルトを着用せずに運転することは、転倒時に投げ出される危険性が高まるため非常に危険です。
パレットの不適切な積み方
作業の効率を過度に重視して、危険な積み方をしている可能性はないでしょうか。パレットの安定性が損なわれると、荷物が落下する危険性が高まります。
荷物が転落すると、周囲の作業員が巻き込まれるという最悪の事態だけでなく、積荷自体の損傷も懸念されます。
点検・整備不足
点検や定期的なメンテナンスを怠って長時間放置すると、故障の原因となるばかりか、荷役装置や走行装置の正常な作動が妨げられ、深刻な事故の引き金となることもあります。
もしフォークリフトから異音や不審な臭いがする、運転中に異変を感じる場合は、ただちに適切なメンテナンスや修理が必要です。
■フォークリフト事故を防ぐための対策
事故発生を未然に防ぐために企業が取り組むべき対策について、以下の3点をご紹介します。
運転ルールの浸透
事故を未然に防ぐためには、フォークリフトの運転ルールを確立することが不可欠です。さらに、実際の倉庫で発生した危険事例を元に、定期的な運転ルールの見直しを行うのが良いでしょう。
例えば、走行速度を10km/h以下に制限する、作業エリア以外への進入を禁止する、誘導員の配置、積み荷が視界を遮る場合はバック走行をする、視界の悪い箇所や交差点では一時停止する、下り坂ではバック走行をするなど、倉庫の状況に合わせてリスクのある場所を把握し、適切なルールを策定しましょう。
危険予知訓練の実施
自動車の教習でも強調されるポイントですが、危険を事前に予測する習慣を持つことが肝要です。「この場所は通行者がいないから安全だろう」という考えではなく、「いつでも人が現れる可能性がある」という警戒感を持ちましょう。
同様に、「この程度の軽い荷物ならば、特別に固定しなくても大丈夫だろう」という考えではなく、「軽い荷物でも固定しなければ、バランスを崩す危険がある」という視点を持って従業員に作業してもらうことが重要です。
ドライブレコーダーを取り入れる
事故予防と安全対策の一環として、フォークリフト専用のドライブレコーダーを採用することも有益です。
もし事故が発生した場合でも、事故の原因を明確に特定するのに役立つ機能も備わっています。
■さいごに
毎年約2000件ものフォークリフト事故が発生しており、これらの事故は従業員や企業に多大な被害をもたらすものです。しかし、適切な対策を取ることで、フォークリフト事故の発生を減少させることはできます。法令を順守し、社内の安全ルールを整備し、従業員への安全教育を徹底することで、事故の未然防止に努めましょう。
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